2008/04/03 谷崎潤一郎の「葦刈」

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 谷崎潤一郎の「葦刈」という小説があります。岩波文庫から「吉野葛・葦刈」として出ています。友情に厚い先輩がこの本をすすめてくれたのですが、初出は昭和7年ですから私の父が生まれたのと同じで76年前。
 「葦刈」の舞台は今の京都府乙訓郡大山崎町あたりです。
 小学生のころから大山崎のあたりとは縁があって、遠足で天王山に行ったり、宝寺で合宿をしたり、自動車教習所もこのあたりでした。今もちょくちょく行きます。以前も書きましたが、山崎は山が川の近くまで張り出した「崎」で栄えた港でした。対岸の京都府八幡市との間には渡し舟があり、昭和37年まで渡し舟はあったそうです。
 「葦刈」の主人公は谷崎自身ですが、西国街道のうどんや(現存)できつねうどんを2杯食べ、酒を二合のみ、出がけにもう一合熱燗につけさせて、川原で飲んでは空き瓶を川へ放り込むなんだかヤな奴です。
 その川原の風景を思い浮かべていたのですが、写真があったんです。想像していたシーンとよく似ていてびっくり。阪急大山崎駅そばの大山崎町歴史資料館発行の第8回企画展の冊子「はるかなる淀川 三川合流の歴史」にそれはありました。

      山崎の渡し

 写真のタイトルは「山崎渡し場の中洲原」とあり、いつとはありませんが、明治33年以降のもののようです。小説では谷崎はここである人物と出会い、奇妙な体験をします。
 大山崎町歴史資料館にはほかにも興味深いネタがありましたが、またいずれ。
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